旬を愉しむ月替わり懐石料理

辺り一面が銀世界になり雪に覆われる豪雪地帯に暮らす私たちは残雪からひょっこり顔を出す「ふきのとう」に春の訪れを感じます。やがて、こごみ、かたくり、タラの芽、山うど、こしあぶら…と厳しい冬をじっと耐えた山の恵みが次々顔を出すのです。そんな大地の恵みを新鮮なうちにいただく。何よりのごちそうです。夏は暑く、冬は寒い季節のはっきりとしたこの地域だからこそ、夏は新鮮な採れたて野菜、秋は里山の深い味わいと季節の味覚がそれぞれに異なり、大地の恵みを愉しむことができます。大地の贈り物をふんだんにお召し上りください。

山と川、豊かな水源に恵まれた肥沃な大地をもつ置賜盆地、唯一海には面していないのですが、松島館では地元県内の港で採れたお魚を中心に、鮮度のいいものだけを職人の厳しい目で見極めて仕入れています。だからこそ、活き活きとした新鮮なお魚料理が味わえるのです。お魚は季節によって捕れるお魚も美味しさも格段に違います。その季節で一番美味しい旬のお魚は、ほどよく脂がのり、ぷりっと身がしまった格別の味わい。おすすめのお魚をお刺身や煮魚、創作料理など一番美味しでおもてなしいたします。

この土地を訪れたら、ぜひ一度は味わっていただきたいのが「米沢牛」です。松阪牛、神戸牛と並んで日本三大和牛に数えられる米沢牛はまさに肉の芸術。融点が低くきめ細やかに霜降りが入ったお肉はまさに口の中でとろける味わい。肉本来の風味と深い味わい、甘さ、どれをとっても最高級と呼ぶにふさわしい美味しさです。当宿ではこれぞ米沢牛といえる牛肉を厳選しております。シンプルな味付けで肉本来の風味を愉しむステーキ、ジュワッと溢れる肉汁を贅沢に味わうすきやき、ピンクに染まるお肉をとろけるように味わうしゃぶしゃぶ、お好みの調理法でお召し上りいただいております。

ここ山形はフルーツ王国とも呼ばれ、実に様々なフルーツが育ちます。中でも初夏だけに味わえるさくらんぼ「佐藤錦」は山形を代表するフルーツ。甘い果汁とさわやかな香り、ぷりっと弾ける果汁たっぷりの果肉はまさに赤い宝石。そんな初夏の風物詩ですがなんと旬の期間はわずか一週間ほどと非常に短いのです。松島館ではその時期に採れたてのフルーツをご用意しております。夏は桃、秋はぶどうやりんごなど好条件に恵まれた置賜の地ではたくさんのフルーツが育ちます。農家の職人と置賜の気候が育んだ宝石たちをぜひ味わってください。